「子供は適応力が高いから、海外でもきっと大丈夫!」
そう信じたい気持ちは山々ですが、実際に子供を連れて海外で生活してみると、大人が想像もしなかったような「壁」に子供たちがぶつかり、悩んだり、ストレスを抱えたりする場面に数多く遭遇します。
こんにちは!海外(フランス)での子育て経験がある、ふーさんです。言葉や文化の違いはもちろん、学校生活、友達関係、日々の暮らしの些細なことまで…子供たちは日々、小さな体で様々な変化と向き合い、乗り越えようとしています。
親としては、子供がどんなことに困り、どんなサポートを必要としているのか、できる限り理解してあげたいですよね。
そこでこの記事では、私の経験や見聞きしたことを基に、海外赴任・海外生活でお子さんが直面する可能性のある「困りごと・悩み・壁」を、具体的な20の項目にまとめてみました。
「え、そんなことまで?」と思うような、意外な盲点もあるかもしれません。
これから海外生活を始める方、現在奮闘中の方にとって、
- お子さんの気持ちを理解するヒント
- 事前にできる準備や心構え
- 具体的なサポート方法のアイデア
を見つけるきっかけになれば幸いです。
1.【言葉の壁】コミュニケーションの基本にして最大の難関
これは言わずもがな、ですね。 先生の指示が分からない、友達と話せない、自分の気持ちを伝えられない…。これが全てのストレスの根源になることも。親が思う以上に、子供は言葉が通じない状況に苦しんでいます。
▶対策ヒント: 家庭教師、親子学習、翻訳アプリ活用、ジェスチャーや絵も使う
2.【文化の壁】「当たり前」が違う!戸惑いとストレス
挨拶の仕方(フランスのビズ!)、家で靴を脱がない習慣、食事のマナー、時間の感覚…日本の「当たり前」が通用しない場面に、子供は日々直面します。トイレに便座がない、なんてことも!(観光地以外では普通にありました…)理解できない習慣に戸惑い、ストレスを感じることも。
▶対策ヒント: 事前に文化の違いを教える、理由を説明する、無理強いしない、子供が感じた「びっくり」や「嫌だ」をしっかり聞いてあげる
3.【学校生活】授業・ルール…馴染めない辛さ
授業が外国語で理解できないのはもちろん、学校のルールや雰囲気が日本と違うことに戸惑うことも。例えばフランスでは、昼休みに教室で過ごせない、水曜日が休み、など。「日本ではこうだったのに…」というギャップに苦しむ子もいます。
▶対策ヒント: 担任の先生や校長先生と密に連絡を取り、子供の様子を把握する。学校のルールを親子で確認する。
4.【友達作り】遊びもルールも違う?仲間外れの不安
言葉の壁に加え、流行っている遊びやキャラクターが日本と違う、同じ遊びでもローカルルールがある、などの理由で、なかなか友達の輪に入れないことも。人種や国籍でグループができてしまい、疎外感を感じる可能性も考えておきましょう。
▶対策ヒント: コミュニケーションのきっかけになるような小道具(折り紙、日本のキャラクターグッズなど)を持たせる。絵カードなどを活用する。親がプレイデートをセッティングするなど、最初のきっかけ作りを手伝う。
5.【家族・友人】大好きな人との離れ離れ
学校や幼稚園で親と離れるだけでなく、日本の祖父母や友達と会えなくなる寂しさ。特に、日本で可愛がってくれた祖父母と離れるのが辛く、「早く日本に帰りたい」と言う子もいます。
▶対策ヒント: テレビ電話などを活用し、定期的に日本の家族や友人と顔を見て話す機会を作る。手紙や絵を送るのも良い。
6.【食生活】「いつもの味」がない!食事への抵抗感
現地の食事が口に合わない、食べ慣れた日本の味が恋しい…。特に偏食気味の子や、新しい食べ物に挑戦するのが苦手な子にとっては大きな問題です。「お米しか食べない!」なんてことも。
▶対策ヒント: 無理強いせず、少しずつ慣らしていく。日本食材店やアジアンスーパーを活用する。可能な範囲で日本の味を再現してあげる。学校の給食が合わない場合はお弁当を持参する(学校による)。フランスのように昼休みに自宅に帰れる場合は、家で食べる選択肢も。
7.【生活リズム】曜日感覚や休日の違いへの戸惑い
フランスの水曜休み、6週ごとの長期休暇(バカンス)など、日本の生活リズムとは異なるサイクルに戸惑うことも。また、日本語補習校に通う場合は、土曜日も学校となり、週末の休みが1日だけになるなど、子供の負担が増える可能性も考慮が必要です。
▶対策ヒント: 新しい生活リズムに慣れるまで見守る。休日の過ごし方を工夫する。補習校などで疲れている様子がないか、注意深く観察する。
8.【気候・環境】暑さ寒さ、日照時間…体調への影響
日本とは異なる気候(極端な暑さ・寒さ、乾燥、湿気)や、日照時間の大きな変化(特にヨーロッパの冬の短さ、夏の夜の明るさ!)は、大人でも体調を崩す原因になります。子供の睡眠リズムや体調管理には特に注意が必要です。
▶対策ヒント: 適切な服装や空調管理。遮光カーテンの利用。水分補給や保湿ケア。
9.【宗教・習慣】未知の文化への違和感やプレッシャー
学校で特定の宗教教育が行われたり、地域の宗教的な行事に参加する機会があったり。日本ではあまり馴染みのない宗教や習慣に触れ、戸惑いや違和感を感じる子もいるかもしれません。どこまで参加・関与するか、家庭での方針を決めておく必要も。
▶対策ヒント: 子供が感じたことを否定せず、様々な文化や宗教があることを教える。無理に参加する必要はないことを伝える。
10.【医療・健康】病院のかかり方、薬の違いへの不安
これは親の悩みでもありますが、子供にも影響します。すぐに病院にかかれなかったり(予約数ヶ月待ちも!)、日本とは違う薬(飲み薬が座薬だったり)や治療法に不安を感じたりすることも。子供向けの薬の種類が少ない場合もあります。
▶対策ヒント: 日本から常備薬を持参する。現地の医療システムやかかりつけ医を早めに見つけておく。信頼できる薬局を見つける。
11.【遊び場】公園の遊具、どう使うの?戸惑う場面も
公園の遊具も、日本とは違うデザインや仕組みのものがあります。「これ、どうやって遊ぶんだろう?」と戸惑ったり、使い方が分からず輪に入れなかったりすることも。意外な盲点かもしれません。
▶対策ヒント: 最初は親が一緒に遊び方を見つける。他の子が遊んでいるのを観察する。
12.【交通ルール】右側?左側?道路の渡り方も違う!
これは安全に直結する重要な問題! 日本の「右見て、左見て、もう一度右見て」が通用しません。多くの国では車は右側通行。道路を渡る時は「左→右→左」の確認が必要です。自転車のルールや公共交通機関の乗り方も異なります。
▶対策ヒント: 親子で一緒に歩きながら、現地の交通ルールを繰り返し教える。標識の意味も確認する。
13.【買い物】お小遣いで自由に買えないストレス(高学年)
一人で駄菓子屋さんに行ったり、文房具を買いに行ったり…日本では当たり前だったことが、安全面や言葉の問題でできなくなる。これは特に小学生高学年以上の子にとっては、結構なストレスになる可能性があります。
▶対策ヒント: 親が付き添って買い物に行く機会を設ける。安全な範囲で、少しずつ一人でできることを増やす(例:レジでの支払いだけ任せる)。
14.【住環境】バスタブがない!シャワーが弱い!家の不便さ
日本では当たり前の設備がないことも。バスタブがなくシャワーのみ、お湯がタンク式で長時間使えない、洗濯機が小さい、キッチンが使いにくい…など。日本での快適な生活に慣れていると、こうした家の不便さがストレスになります。
▶対策ヒント: ある程度は「郷に入っては郷に従え」と割り切る。工夫して快適に過ごす方法を見つける。どうしても譲れない部分は、家探しの段階で考慮する。
15.【人間関係】先生や大人との距離感の違い
先生や他の大人との距離感が、日本と違う場合があります。よりフレンドリーな場合もあれば、逆に厳格な場合も。子供がその違いに戸惑うことも。
▶対策ヒント: 現地の一般的な大人と子供の関係性を親が理解し、子供に伝える。先生とのコミュニケーションを密にする。
16.【日本語力】現地語ばかりで日本語を忘れてしまう不安
現地語が上達するにつれ、逆に日本語の語彙力が落ちたり、文法が怪しくなったりすることも。特に家庭でも現地語を使うようになると、その傾向は強まります。
▶対策ヒント: 家庭では日本語を基本にする。日本語の絵本読み聞かせ、通信教育、オンライン補習校などを活用する。
17.【アイデンティティ】自分は何者?ルーツへの問い
多文化環境で育つ中で、「自分は日本人なの? それとも〇〇人なの?」と、自分のアイデンティティについて悩む時期が来るかもしれません。
▶対策ヒント: 日本人としてのルーツを大切にしつつ、多様な文化を受け入れる姿勢を育む。子供の気持ちに寄り添い、一緒に考える。
18.【情報不足】日本の流行や友達の話題についていけない
日本のテレビ番組、アニメ、ゲーム、流行語…リアルタイムで情報が入ってこないため、日本の友達との会話についていけなくなることがあります。一時帰国時に浦島太郎状態になることも。
▶対策ヒント: 日本の家族や友人とこまめに連絡を取る。日本の子供向け雑誌や動画サイトなどを活用する(親がチェックした上で)。
19.【帰国への不安】日本の学校に馴染める?友達できる?
赴任期間が終わりに近づくと、「日本の学校に戻って、勉強についていけるかな?」「新しい友達はできるかな?」といった帰国後の生活への不安が出てきます。
▶対策ヒント: 日本の学習を継続しておく(通信教育など)。帰国後の学校生活について親子で話し合う。同じような経験を持つ帰国子女の体験談などを参考にする。
20.【親のストレス】親のイライラが子供に伝わってしまう悪循環
最後に、これは子供自身の問題ではありませんが、非常に重要です。 親自身が慣れない海外生活でストレスを溜め込み、イライラしてしまうと、それが子供に伝わり、子供の不安やストレスを増幅させてしまう悪循環に陥ることがあります。
▶対策ヒント: 親自身のメンタルケアを最優先する!一人で抱え込まず、配偶者と協力し、外部のサポートも頼る。自分の時間を持つ。
【親ができること】子供の「困った」に寄り添うために
これだけ多くの「壁」がある可能性がある海外での子育て。親として何ができるでしょうか?
- 子供の変化に敏感になる: いつもと様子が違う、口数が減った、食欲がない…などのサインを見逃さない。
- 「聞く」姿勢を大切に: 忙しくても、毎日子供の話をじっくり聞く時間を作る。「何か嫌なことなかった?」と具体的に聞いてあげることも時には必要。
- 子供の気持ちを代弁する: うまく言葉にできない子供の気持ちを、「〇〇って思ったんだね」「悔しかったね」などと代弁してあげる。
- 安心できる家庭環境を作る: 家は、子供が唯一心からリラックスでき、ありのままの自分でいられる場所であるように心がける。
- 一緒に解決策を探る: 問題に直面したら、一方的に叱ったり指示したりするのではなく、「どうしたらいいかな?」と一緒に考える。
まとめ:子供の「困った」サインを見逃さないで!
海外での子育ては、子供にとって大きな成長の機会であると同時に、私たちが想像する以上に多くの困難やストレスに直面する可能性があります。
今回挙げた20の「困りごと」は、あくまで一例です。お子さんによっては、全く違うことで悩んでいるかもしれません。
大切なのは、「子供は大丈夫だろう」と思い込まず、日々の様子を注意深く観察し、小さな変化やSOSのサインを見逃さないこと。 そして、どんな時でも子供の一番の味方であり、安心できる拠り所でいてあげることです。
この記事が、海外で頑張るお子さんと、それを支える親御さんの、日々の奮闘のヒントとなれば幸いです。


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